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2月 2017 お知らせ一覧

2017年02月06日 レッグ・ペルテス病

レッグ・ペルテス病

どんな病気?人の大腿骨頭壊死症と似た病気で、レッグ・カルベ・ペルテス病とも呼ばれる病気です。大腿骨の骨頭と呼ばれる部分(太ももと骨盤との連結部)への血液供給がうまくいかず、骨が変形、壊死してしまう病気です。なぜ血液供給がうまくいかなくなるかは完全に解明されていませんが、骨頭部の血管が細くループ状になっていることや、骨頭部の中で血流を2つに分ける区切りがあり、血流が途絶えやすい構造になっていることが考えられています。小型犬に多く認められ生後1歳未満での発症が多い病気です。

症状について発症すると後ろ足を痛がり、挙上する(足を地面につかない)ことが多いです。そのまま放置すると、痛い方の足の筋肉が徐々に痩せてきます。特に、後ろ足を後方に牽引すると痛みが強くでますので、一つの診断の目安になります。レントゲンを撮ると、通常は丸い形をしている骨頭が、くびれがなくなったり、短くなることで四角い形に変形し、骨密度の不均一な低下がみられます。時に骨頭先端の骨が剝がれるように骨折(剥離骨折)していることもあります。ただし、初期の場合や程度の軽い場合は、レントゲン上であまり変化が出ないこともあります。

治療について症状がごく軽度の場合は痛み止めのお薬でやり過ごすこともできる場合がありますが、この病気のほとんどは、変形、壊死してしまった骨頭を手術で取り除くことが必要になります。骨盤と後ろ足の骨が離れてしまうことになりますが、ワンちゃん(ネコちゃん)の場合は人間と違って4本の足で歩いていることや、骨盤周りの筋肉が発達していることから、しっかりとリハビリをすることで、数か月(1~3か月)で普通に歩けるようになります。ごくまれに、取り除いた骨の端からいびつな骨が再生することがあり、再手術が必要になることがあります。また病気になっていないほうの足も後からこの病気がでてくることがあるので注意が必要です。

レッグ・ペルテス病を未然に防ぐには?

予防法はなく、思いあたる症状がみられた場合は早めに動物病院にご相談ください。

2017年02月06日 Ⅰ型椎間板ヘルニア

Ⅰ型椎間板ヘルニア

どんな病気?首から尻尾まで節状に連なる骨を椎骨(ついこつ)と呼びます。いわゆる背骨(首や腰骨も含む)のことです。椎骨の中には空洞があって、脊髄神経の通り道になっています。また、椎骨と椎骨の間にはクッションの役割をしている軟骨があり、それを椎間板(ついかんばん)と呼びます。椎間板が変性して固くなり、外部の衝撃が加わることで急激に勢いよく飛び出し、脊髄神経を圧迫してしまうことで生じる病気をⅠ型椎間板ヘルニアといいます。中年齢から高年齢の、肥満したワンちゃんに発症しやすいです。

発症しやすい犬種ダックスフント、シーズー、ペキニーズ、ビーグルなどのワンちゃんは椎間板が変性しやすいといわれていて、他の犬種に比べて発症しやすいとされています。Ⅱ型もありますが機序と症状が少し異なりますので割愛します。(ちなみに「ヘルニア」とは「包まれている状態で組織が飛び出ること」をいいます)

Ⅰ型椎間板ヘルニアの症状について主な症状は、急にキャンといって動かなくなる、震える、腰を丸める、首をすくめる、触ったり抱っこすると痛がる、段差の昇り降りをしなくなるなどです。重度になると麻痺が生じて、後ろ足を引きずったりふらついて歩く、腰をあげられず這って動く、自力で尿が出せない、前足が動かせず横になったまま起き上がれない、などの症状も現れることがあります。いずれも急激に症状があらわれることが特徴です。ごく稀ですが、重度の椎間板ヘルニアがきっかけになって、脊髄神経が進行性に軟化壊死してしまう、進行性脊髄軟化症という病気が発症することもあります。この病気は、どんなに早く椎間板ヘルニアの対処をしても麻痺が進行し、1週間前後で呼吸に必要な神経まで麻痺してしまい、命を落としてしまう恐ろしい病気です。

Ⅰ型椎間板ヘルニアの診断診断は触診で痛みの有無をチェックすることや、足の反射のチェックをして麻痺があるかどうかを確かめることが基本です。年齢、犬種、症状の進行度と合わせて仮診断をします。椎骨の間隔が狭くなっていたり、椎間板が変性して白く写ることもあるため、レントゲンを撮って確認します。レントゲンは脊髄神経や椎間板は通常写りませんので、確定診断はできません。神経の状態をよく調べるためにはMRI撮影の検査が必要で、それによって確定診断になります。ただし、MRI撮影は動物では全身麻酔が必要で、高額な費用がかかるため、簡単にできる検査ではありません。必要なタイミングで的確に判断して検査をしなければいけません。

Ⅰ型椎間板ヘルニアの治療方法治療は、症状や状況によって内科的治療か手術を選択します。症状が痛みだけの場合や麻痺があっても軽度の場合は安静にすることで数週間で自然に回復することも多いですが、痛みやふらつきが強く、食欲が落ちている場合などではお薬で鎮痛剤を飲んだり、温熱レーザーで緩和させてあげる治療を選択します。この治療はあくまで対症療法で、飛び出した椎間板を取り除いているわけではありませんので、自身の治癒力によって回復を期待するものです。そのため、一番重要な治療は安静にすることで、これができないと治らないばかりか、さらに悪化してしまう可能性もあります。麻痺が重度の場合や内科療法での治癒がみられない場合は、MRI撮影をおこない、脊髄のどの場所で病気が起こっているか、脊髄神経はどのような状態か、を確認して手術することもあります。手術では、椎骨に小さな穴を開けて、飛び出した椎間板物質を直接取り除く処置をします。はじめは手術の刺激で麻痺などがしばらく残るものの、リハビリによって徐々に回復することが多いです。しかし、痛覚まで失われるほどの重度の麻痺の場合、手術の甲斐なく麻痺が残ってしまうこともあります。

肥満はこの病気のリスクが上がります。特に発症しやすいといわれている犬種を飼われている飼い主様は太らせすぎに注意しましょう。他にも、階段やソファーなどの段差の昇り降りや、フローリングの床など滑りやすい場所の上を走るなどの行為は、椎骨に負担をかけてしまうので、段差にはスロープやステップをつける、フローリングには滑り止めを敷くなどの対策も予防に有効です。椎間板は軟骨でできていますので、変性しにくいように、軟骨を維持するサプリメントを飲ませてあげることも有用です。

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