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4月 2019 お知らせ一覧

2019年04月04日 子宮蓄膿症

子宮蓄膿症

どんな病気?子宮の中に膿がたまることによって様々な体の障害を起こす病気で、高齢の未避妊のワンちゃんに多い病気です。ネコちゃんにも多くはないですが発症します。ワンちゃんとネコちゃんでは生理が起こる仕組みや間隔、時期も異なるため、子宮蓄膿症の原理も異なると考えられていますが、ここではワンちゃんについて解説します。

ワンちゃんの生理は?ワンちゃんの生理は平均年に2回見られます。生理の症状で分かりやすいのは、陰部からの出血(発情出血)ですが、自分でなめとってしまうと出血がわかりにくいときもあります。他にも外陰部が腫脹したり乳房が張ったり、時には元気がなくなったり食欲が落ちる場合もあります。ワンちゃんの生理は人間と仕組みが違って、出血の後に排卵が起きます。具体的には出血が始まってから約7~10日後に雄を受け入れる行動が見られ、その2~3日後に排卵が起きて5日間くらいで卵子が受精能をなくしていきます(人間ではここで出血が見られます)。排卵した後の卵巣には、黄体という組織が残っていて、2か月くらいかけて黄体が退縮していきます。出血から雄の受け入れ可能な時期までを発情前期(7~10日間)、それから卵子が受精能をなくすまでを発情期(7~10日間)、黄体が残っている期間を発情後期(約2か月間)、次の発情出血までを無発情期(約4か月間)といいます。

ホルモンについて卵子と黄体からはそれぞれ別の女性ホルモンが出ています。このうちの黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用には、子宮の内側の膜を増殖させたり、子宮頸管(子宮と膣のつなぎ目)を閉じたり、精子を受け入れるために免疫力を低下させる作用があります。いずれも妊娠を成立、維持させるためには大切な作用ですが、これが子宮に膿がたまってしまう最大の原因になります。どんなに清潔にしていても、環境中には様々な雑菌がいますので、抵抗力が落ちて菌が入りやすくなることと、子宮頸管が閉まることで、子宮内部に菌が増殖しやすくなります。2か月間もこの状態が続くので自分の力では菌を退治しきれず、子宮に膿がたまっていきます。子宮蓄膿症の発症は発情出血後から2~3か月目に多いのですが、その期間は黄体ホルモンが多く出ている時期にあたることが原因になっています。

子宮にたまった菌の毒素子宮にたまった菌の毒素によって、元気食欲の低下、嘔吐、下痢、腹部痛(お腹を丸めたり、震えたり、後ろ足を持ち上げるような症状)、水をたくさん飲んでおしっこをたくさんする(多飲多尿)などの症状が出ます。陰部から膿が出ているとわかりやすいですが、全く出ないでお腹が張ってくるような症状もみられます。重度になると、貧血、血小板減少、多臓器不全におちいり生命の危険性も出てきます。万が一子宮が破れてしまった場合は腹膜炎に進行し、急に虚脱する(ぐったりして動かなくなる)こともあります。

診断について診断は諸症状の有無、発情出血の時期と年齢を確認すること、触診で腹部痛や子宮の腫れを確認できるか、レントゲンやエコー検査で子宮が拡張しているか、血液検査で炎症の数値や白血球が上がっているかなどで行います。

治療の第一選択は?治療の第一選択は、卵巣子宮をたまった膿ごと手術で摘出することです。状態によって様々ですが、急激に症状が改善することもあり、早くて2~3日で退院できることもあります。膣内にはわずかに菌が残るため、退院後もしっかりと抗生剤を飲まないといけません。メリットは再発がないこと、急速に回復することが期待できることですが、全身麻酔での手術のリスクが伴います。他に、注射による内科療法もあります。日本ではまだ発売されていない注射薬で、根本の原因になっている黄体ホルモンの作用をブロックするお薬です。初日、2日目、7日目に注射をしますが、必ず抗生剤や点滴などの支持療法も必要です。副作用はまれで、安全なお薬です。治療効果は、80%くらいで反応があると言われていますが、子宮頸管を広げたり、子宮の動きをよくするお薬(プロスタグランジン)をごく低用量で併用することによって奏効率が上昇することも分かっています。リスクは少ないですが、効果がみられない場合もあることや、卵巣と子宮が残っていますので、いずれ(1~2年後に)再発する可能性も高く、全身麻酔が不可能な場合やどうしても子宮卵巣を残したい場合にのみ選択します。この治療の最大のメリットは次回の発情のタイミングで妊娠できる可能性があることです。4歳以下であれば五分五分の確率で妊娠が可能とされています。
予防は健康なうちに避妊手術をすることですが、病気ではない卵巣子宮を取り除くことに様々な意見がありますので、よくお考えになって決めていただくことが必要です。

2019年04月04日 肥満細胞腫

肥満細胞腫

どんな病気?ワンちゃん、ネコちゃんどちらにも多い病気です。名前からイメージすると太ったワンちゃん、ネコちゃんがなる病気な感じがしますが、体の大きさは全く関係ありません。もともと正常なワンちゃんネコちゃんの体内には、「肥満細胞」と呼ばれる、アレルギー反応に関与する細胞が体中に存在しています。その細胞はヒスタミン、ヘパリンと呼ばれる顆粒などをたくさん含んでいて、その様子が膨れて肥満しているように見えることから名付けられました。この細胞が腫瘍性に増殖したものを肥満細胞腫といいます。皮膚腫瘍の中で、最も多くみられるものの一つです。また、この腫瘍は脾臓や肝臓などの内臓にもできることがあります。ワンちゃんの場合すべて悪性として対応する必要がありますが、悪性度(厳密には異形度)は3段階に分かれており、悪性度の高いものは非常に厳しい経過になりますが、低いものは比較的良好な経過をたどります。ネコちゃんの場合、悪性度は分類されておらず、良性に経過することが多いですが、内臓に浸潤したり、もともと内臓から発生したものは悪性となることもあるため注意は必要です。

症状は?症状は皮膚のしこりで、周囲に赤みや痒み、むくみなどが起きます。また、内臓に腫瘍が浸潤している場合は嘔吐下痢などの消化器症状や食欲不振、元気消失がみられることもあります。見た目だけでは他の腫瘍との区別がつかないことが多いため、細い針を刺して細胞をほんの少量抜き取り、染色を施して顕微鏡で見る検査をします。この検査でほぼ確定することができますが、細胞による検査は100%ではありません。しかも細胞検査では悪性度(異形度)の判別はできません。組織を塊で摘出して、病理検査に供することで確定します。

治療は?治療は、手術ですべての腫瘍組織を摘出することが第一選択となります。肥満細胞腫は通常、目に見えるしこりから離れた部分にも浸潤しているので、皮膚にできた場合、腫瘤とその周りを大きく切除します(できれば幅2から3㎝大きく、深さは筋肉に到達するまで)。それでも一部腫瘍細胞が残ってしまった場合や切除困難な場合は、放射線療法、抗がん剤を組み合わせて治療します。

有効なお薬?近年では遺伝子検査により、ある遺伝子変異が検出された場合に有効なお薬があります。分子標的薬といい、正常な細胞ではなく癌細胞のような遺伝子が変異した細胞を攻撃するお薬なので、比較的副作用が少なく、優れた効果がみられるものです。

ご相談方法皮膚にできる腫瘍は大半が良性ですが、たまにこういった悪性の腫瘍もできることがあり、見た目だけでの区別はつきにくいことから、気になるできものが見つかった時には病院でご相談されるのが賢明です。

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